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 子育て支援センターを併せ持つ保育園 見学
      社会福祉法人 和光村 和光保育園
      別棟 子育て支援センター 「わいがや亭」

場所  〒292-0042
 千葉県富津市小久保2209番地
 電話 : 0439-65-2772
 FAX : 0439-65-2797
園児数   104人
職  員  25人(うち保育士が17人)で運営 
   市民ネットワークメンバー4人で出かけてきました。

子育て支援センター「わいがや亭」     
ここは「わいがや亭」おやじの会が作りました。

鈴木園長は、入園式に「卒業するまでに家が建てられる
くらいになりますよと話すんですよ。」
とほほえみを浮かべながら話す。
わいがや亭の設計図。
この1枚の絵から始まりました。

「子供服のリサイクル、大人の広場わいがや亭」
わいがや亭に入ると、あれっ! 喫茶店?
右手にキッチン。コーヒーメーカーもある。
キッチンの片隅には玩具がある。
ひとつひとつ、玩具の絵が棚に貼ってある。
はじめてきても、元の置き場所に
片づけることができ、さりげない工夫。
左手は、テーブルがある。ますます喫茶店の様相。
ここは、保育園の保護者の集会もある。
子育て先輩と後輩の接点でもある。
左手奥には、子ども服のリサイクル。
まるでショップの雰囲気でしたよ。
写真を撮り忘れるほど。
ミシンの使い方と貸し出し表。
ミシンがなくても過ごせるけど、
子育て中、あればまた楽しいのは私も経験済み。
買うのは戸惑うけれど、貸出しっていいなと思った。
おやおや、七夕の竹をとりに行った子どもたちが
戻ってきましたよ。
レインコートをきているのは、
この日の朝 雨が降っていたから。
竹をとりに行くとき、「虫にさされないようにしてね」
という声かけに、レインコートをきたり、
虫よけスプレーをした子どもといろいろ。
はりきって帰ってきました。
ここは玄関。なぜか、旅館みたいな趣。
鈴木園長(左)がお出迎え。
玄関の向こうには、広い廊下。
というか、広い縁側のよう。
園庭は、山の斜面も園庭の一部。
井戸も遊びのひとつ。
縁側のような廊下に、なんと、ベンチ。
プール遊びをしたい子ども、
砂遊びをしたい子どもといろいろ。
とても大きな声が響くわけでもなく、
のどかでのびのび、自然体。
ふと気が付くと、
保育士の大きな声を一度も聞かなかった。
部屋の中にあえて、段差を作るのが特徴。
子どもがそこにあがれば、
大人の目の高さで、ものを見る体験ができる。

ちょっと、休みたいときにも利用できると園長。
なんと、トイレの部屋。床は、板の間。
タイル貼りのトイレでスリッパを履き替える
というようなことはない。

トイレもきれいなひとつの部屋。
この部屋の奥の格子戸をあけると、渡り廊下。
なぜか、不思議な空間。
渡り廊下を行くと
年長さんが卒業前に作ったタペストリー。
ともだちぐみ、おもちゃぐみと書いてある。
ここから向こうは、0歳児、1歳児のクラス。
クラス名は、その年の子どもたちが決めるそうだ。
さぁ、入ってみると、まるで家。
左手にキッチン。
園児が椅子にのったり降りたり遊んでいるのを
そっとみまもり、保育士が昼食の配膳準備をしていた。
なぜか、おかあさんそのもの。
ここは居間のよう。
左手はテラス。
鈴木園長もすわって説明をしてくださる。
ほんとうに家にお伺いしたような雰囲気。
居間の奥には、お昼寝の部屋。
そろそろお昼ご飯の準備。
居間にテーブルが登場。
もうひとつの園庭がテラスから見えた。
低年齢の子どもが遊ぶ。
さて、もどってくると、
さきほどの縁側のような廊下は、
食堂となりつつあった。
食事の用意をする傍ら、自分でぞうきんを絞り、床拭き。
ここは、もうひとつの家だから、
給食室と呼ばず、台所と呼ぶ。
食事を作る人が身近に見える。
「給食だより」ではなく、「台所だより」
こだわりがある。
思わず、市民ネットのメンバーも台所に興味深々。
子どもが見やすいように台も置いてある。
園長のお話をもう少し伺うため、2階に案内された。
さきほど、どれだけ思う存分遊んだか、想像できる。
たくさんの洗濯が万国旗のように干されていた。
園長が、コンゴ共和国の赤ちゃんの写真を
見せてくれた。
1歳にならない赤ちゃんがオノを持っている。
これをみて、どう思うか?
「危ない」と思うのは日本人。
でも、この赤ちゃんの国では、
生きていくのにとても重要なこの生活の道具に
興味をもったと称賛する。
そして、怪我をしないで使えるよう
子どもに手を添える。
そんな文化が国ごとにある。


保育士経験の私は、園長先生の言葉、ひとつひとつに目からうろこだった。

この保育園は、もうひとつの家である。午前中はお腹がすくまで遊ぶ。
クラスは同年齢だが、遊びは異年齢。0歳児のクラスが食事の用意をすると、そろそろ
昼ごはんだなとわかる。
今まで、幼稚園や保育園は、学校がモデルだった。
先生が教えるのが重点。そんな指導法の歴史がある。
確かに、指導案は、日案、週案、月案とあり、私も幼稚園に勤務しているときは、
それに追われていた。
指導案に合った子どもの動き・遊びが良しとなり、それから外れた子どもの姿が
受け入れにくくなる。
お昼の様子が低年齢のクラスの食事の準備でわかる。
まるで、家でおかあさんが台所に立つと、そろそろごはんだとわかるようなもの。

子どもがどう学ぼうとしているか。学び手の視点を考える。
遊び続けたいと思わせる。子どもの遊びの姿から、保育士は翻訳して親に伝える。
どんどん専門になり、しろうとの出番がない。
親が親として育つように、親と子のゆたかな関係をサポートするのが、保育士、保育園だ。
子どものことを知り、子どもと付き合える親に育つ。園と家庭の共同の子育てを作りたい
保育士がこの視点を持つことで、子どもの遊びを受け入れることができる。
また、子どもひとりひとりの日々の成長も見つめやすくなるだろう。
逆に、「次、何するの?」とい指示待ちする子どもらしくない子どもは、大人が望むことを
子どもが気を使っているわけで、大人が作った環境で子どもの育ちは影響すると
改めて考えさせられた。

良い学校とは、問題を共有し、どう解決していくか、課題を取り組み続けているかである。
とかく、行政は、問題を起こさないように力を入れている。

和光保育園では、親と語り合い、築いてきた。
おやじの会は、19年になる。
「出られる人が出られるときに」でおやじの会は続いてきた。
入園した時に、お父さんたちに話す。
「卒業までには、家を一軒建てられるくらいになりますよ」
今は、おやじの会で図書館を建設中。

園長先生の名刺には、「演出人兼大工」と書かれているのも納得できる。
やはり根底に、園と家庭の共同の子育てを作りたい、問題を共有してともに解決策を考える。この関係が、子どもが子どもらしく、のびのびと育ちやすい環境となるのだろうと思った。

市が運営の肩入れをし、平均以上のことをしたければ、自助努力だ。
木更津市は、(仮称)請西保育園を公設民営で建設の予定である。
民営に託すとき、平均以上のこととはどんなことか。
親のニーズは、次世代支援計画を作成するときにアンケートで調査済みである。
保育の現場の声もすぐに集められるだろう。

残るは、子ども。
子どもはどう育ちたいと思っているか、子どもの視点である。
『子どもをどう育てたいと思うか』 から出発すると、どうしても大人の視点が入り組んでくる。

和光保育園の園長先生の話は、いつも真ん中に子ども。
そしてその傍らにいる大人が子どもの視点を見失わないようにしている。
子どもはどう育ちたいと思っているのかなど疑問に思う前に、
『子どもはどう育ちたいと思っているだろうか』 と思いながら子どもを見つめることで、
見失いがちな子どもの育ちが見えるだろう。

民営に託すとき『子どもはどう育ちたいと思っているか』 を読み取る感性を活かした保育の実現、子育て支援が構築できたらと、願う。
民営に木更津市は何を望むのか、どう思っているのだろう。
何も考えず、建物だけ建てて民営に丸投げでは公費で建てる意味がないと私は強く思った。

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